第五章 禁断の甘い味
浩二は何となく怖くなっていた。スーパーで「バッグ、お願いね」と渡されたあの中には、コンビニの時と同じように万引きした物が入っていたのではないか? そう思うと、蓉子と出来るだけ会わないようにと、母親に買い物を頼まれても、別のスーパーに行くようにした。
だが、蒸し暑くなった6月中旬の日曜日、「遊びにいらっしゃいよ」と蓉子から電話が架かってきた。
しかし、気が進まない浩二は「あ、いや、でも」と言葉を濁したが、それで、あっさり、「そうですか」と諦める蓉子ではない。
「お昼よ、お昼ご飯を食べるだけじゃない。いらっしゃいよ」と言い、「うん……」と浩二が躊躇っても、「じゃあ、午前11時30分にね。約束よ」と、彼の返事も聞かずに電話を切ってしまった。
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