第六章 蓉子の秘密
佐伯蓉子は20歳を過ぎた頃から、生理が近くなるとイライラして問題を引き起こすことが多くなった。
大学を卒業して商社に就職したが、書類の作成ミスやお客さんのアポイントを取り忘れたり、いろいろな失敗が重なり、辞めざるを得なくなってしまった。
だが、28歳の時、それらのことを全て理解してくれる男性に出会い、結婚した。蓉子にとって一番幸せな時だったかもしれない。生理でイライラする時、彼は何も言わずに抱きしめてくれた。蓉子はこの人に一生ついて行こうと思った。
しかし、長くは続かなかった。夫たちが会社に出掛けた昼間、残った妻たちのコミュニティが出来る。社宅でなくても、同じマンション、同じカルチャーセンター、コミュニティはどこでもできる。
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